『ゲーマーズ!』と「自己肯定感」

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今日はNetflixとはてなブログの特別お題キャンペーン「#2017年一番良かった《映画・ドラマ・アニメ》」に乗っかってみようと思います。

とはいえ、私はそれ程、映像作品を多く集中的に観る方ではありません。どちらかといえば何かをしながら流し見することが多かったりします。

そんな私が自分の狭い視聴作品の中から1つ選んだ作品TVアニメ『ゲーマーズ!』をご紹介します。

『ゲーマーズ!』とは/あらすじ

『ゲーマーズ!』とは、葵せきなさんのライトノベル作品を原作としたTVアニメです。公式サイトによるキャッチフレーズは「こじらせゲーマーたちによる、すれ違い青春錯綜系ラブコメ!!」。そのストーリーは

趣味はゲームという以外目立った特徴もないモブキャラぼっちゲーマーの雨野景太は、ある日突然に学園一の美少女でゲーム部部長の天道花憐に声をかけられる。

「……私に付き合って、ゲーム部に入ってみない?」

この日を境に、景太の日常は一転!

ゲームの価値観以外はそっくりな、ぼっち女子ゲーマーの星ノ守千秋。クラスの中心人物で彼女持ちだけど隠れゲーム好きな、残念リア充の上原祐。祐の彼女でゲーム知識皆無の亜玖璃らを巻き込んで、お互いが勘違い、空回り、迷走を繰り返す、こじらせゲーマーたちによる“すれ違い青春錯綜系ラブコメ”が始まる。

という感じのラブコメなんですが、全編を通じてお笑い芸人アンジャッシュの“勘違いコント”のようなやり取りが展開されていきます。

『ゲーマーズ!』と人間関係

『ゲーマーズ!』では登場人物が喋るたびに勘違いやすれ違いが生まれ、話が進んで行くうちにどんどん人間関係が変化していきます。

ぼっちゲーマー天野景太に声をかけゲーム部に誘う学園一の美少女 天道花憐。

天道さんの誘い歓喜しつつもゲームに関する姿勢の違いから入部を断る景太と、そんな景太に未練たらたらの天道さん。

そんな景太に過去の自分を重ね合わせはじめはイライラするものの、理解し手助け(というか善意?の画策)をするようになる上原祐。

「(天道さん仲良くなるためにも)手始めに同じゲームが趣味の女子と喋ってみようぜ」という祐のアドバイスを受けて、ぼっち女子ゲーマーの星ノ守千秋に声をかける景太。

ゲームに関する姿勢が一緒だったことで出会って1日で名前で呼び合う仲になるも、ただ1点の見解の相違で2日目で不倶戴天の敵を公称しかねない程に言い合う関係になる景太と千秋。そんな二人の仲が気になり振り回される天道さん。

景太と千秋の中を取り持とうとする祐。そんな祐を見て千秋をナンパしていると勘違いする祐の彼女 亜玖璃。

そんな亜玖璃の心情を察して、いつの間にかお互いの人間関係のトラブルを相談して励まし合う関係になる景太と亜玖璃。

そんな景太と亜玖璃の仲を疑う祐。

というような感じで人間関係が少しずつ錯綜していきます。

その勘違いはほとんど「直接、相手に確認さえすれば」発生しないことなのですがそれができず、かつ主人公をはじめ「微妙に言葉足らず」なことが多いため、それぞれが自分の「憶測(もしくは妄想)」を掻き立てていくのです。

こんな風に書くと、なんだかドロドロした関係に見えてしまうかもしれませんが、基本的にそんなことはないの、そのようなストレスなく観ることができるのも良いと思います。

『ゲーマーズ!』と「自己肯定感」

『ゲーマーズ!』の登場人物たちですが、自己肯定感という視点で見ると少し違った見え方がする気がします。

雨野 景太(あまの けいた)

高校入学以来ぼっちゲーマーとして灰色の学園生活を送っていた本作の主人公。高校二年にしてこれまで一人の友達もいなかった陰キャなのですが、そんな自分を悲観することなくすべて「受け入れて」います。

しかも「天道さんに声をかけられた」ことをきっかけに、自分を変えていきたいと思うようになり、そのために自分に親身になってくれる他人のアドバイスを素直に受け入れ少しずつ行動に移していくなど、とても「自己肯定感」が高いキャラクターです。

決してポジティブ思考ではなく、むしろネガティブに考えがちなのですが、最終的には人の「好意」の部分を受け止めて、他者からの負の感情も受け流すことができる強さを持っているような気がします。

天道 花憐(てんどう かれん)

一応、本作のメインヒロイン。容姿端麗・成績優秀・スポーツ万能で学内ヒエラルキートップの学園のアイドルで、他校の生徒が「あの天道花憐が居る高校」と高校の名より個人名が先に出るほどの知名度を持つ。さらにスペックの高さを驕らず、自己研鑽を怠らない性格なのですが、こと景太に対しては素直になることを恐れ、結果ややツンデレ・ヤンデレ的な行動になってしまいます。

そんな天道さんは「自分の正の面を「条件」に自分を肯定している」ようなところがあるような気がします。そのため、もし、その正の面が失われてしまったら・・・。天道さんの「自己肯定感」にはそんな危うい面もあるような気がします。

星ノ守 千秋(ほしのもり ちあき)

本作のサブヒロイン。景太同様に放課後は教室の隅でゲームに興じており、景太とゲームの好みやプレイスタイルがほぼ完全に一致しているなど、女版景太といえるキャラクター。

彼女も景太と同じように自分の状況を「受け入れて」いるように見受けます。
また、祐の勧めで髪をショートにするなど、他人の好意やアドバイスを素直に受けるところも景太と似ているようです。

景太との違いは「自分の気持ちに対する素直さ」。

(景太が天道さんへの自分の好意を素直に受け止め行動していくのに対し、千秋は自分の気持ちに気づく(素直になる)のに時間がかかってしまいました。)

それでも、どんな状況でもありのままに受け入れることができるような強さを持っているような気がします。

上原 祐(うえはら たすく)

高校入学を機に高校デビューを果たし、クラスでも最も派手なグループに属するようになった元陰キャ。

好きだったゲームを高校受験を機に封印し、それを否定して現在のリア充のポジションを手に入れた彼は、自分の負の面を否定し、悪い所を人に見せまいとしている部分がある気がします。それが、過去の自分への自己嫌悪と過去の自分に似ている景太への苛立ちにつながっているのだと思います。

そんな祐も、景太のことを認め、景太に触発される格好でゲームプレイを再開するようになるなど、少しずつそういった自分を受け入れていくのですが「自分自身を無条件で受け入れる」程の「自己肯定感」は持っていない気がします。

亜玖璃(あぐり)

入学を機に高校デビューを果たし、学校でも派手なグループに属する元地味子。中学時代の出来事から祐に片思いし、祐に合わせてギャルぽい変え、自ら告白して祐と交際を始めました。

彼女も自分自身をすべてありのままで「受け入れる」ことのできる「自己肯定感」の高いキャラクターだと思います。祐が浮気をしている(と亜玖璃が思いんでいる)ような時でも、そんな状況を責めるのでもなく「恋はするもんじゃなくて、堕ちるもの」といえる芯の強さと前向きに受け止めることができる高い「自己肯定感」を持っているような気がします。

「リア充度」では

天道さん>>上原くん、亜玖璃>>>>>>>>>>>>>景太、千秋

のような感じだと思いますが「自己肯定感」の高さでは

亜玖璃>>景太、千秋>>>>>>>>>>>>>天道さん>上原くん

のような気がします。

以上、私が2017年一番良かったと思う作品、TVアニメ『ゲーマーズ!』の紹介でした。

最後は、作中の景太の言葉で締めたいと思います。

すごく売れた作品ってわけじゃないんだけどね。

せっかく人に紹介するならこういう日陰の作品にも目を向けてあげたいなあって。

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特別お題「2017年一番良かった《映画・ドラマ・アニメ》」キャンペーン by Netflix です。

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