こんにちは。
あなたは2018年に観測できる天体現象をいくつご存知ですか。
じつは今年は注目の天体現象が目白押しです。
まずは1月31日と7月28日に起こる「皆既月食」。1月31日の皆既月食は、月が地球に最接近し月の円盤が最大に見える「スーパームーン」、1カ月に2回満月になる「ブルームーン」、皆既月食により月の表面が赤っぽく見える「ブラッドムーン」の3つが同時に起こる「スーパー・ブルー・ブラッドムーン」が観測できる35年ぶりの好機でした。
また、明日7月28日の皆既月食では深夜から明け方にかけて食が起こり、月食中に月が沈む「月入帯食」を観察することができます。
さらに今年は三大流星群のうち、8月にはペルセウス座流星群、12月にはふたご座流星群の観測の好機!極大の時刻や月齢の条件が良く、多くの流星の出現が期待できるそうです。
そして7月31日には、火星が地球から5,759万kmの距離まで最接近します。火星が6,000万kmより近い距離まで最接近するのは2003年以来じつに15年ぶりです。
そこで今回は、2018年07月31日の火星の地球への最接近についてご紹介します。
2018年7月31日(火)に火星が地球に最接近
火星と地球はともに太陽の周りを回る惑星ですが、内側を回る地球が太陽の周りを約365日で1周するのに対し、やや楕円軌道を回る火星は太陽の周りを約687日で1周します。
そのため地球と火星は780日毎(約2年2ヶ月毎)に地球が火星を追い抜くときに近づきます。
また火星に限らず太陽系の惑星は全ていびつな軌道をしているので、接近する際もその時の互いの惑星の軌道により接近する距離が異なります。
火星と地球の場合は、15年または17年ごとに6000万kmより近い距離まで最接近します。
そして2018年7月31日は、2003年の最接近時(5,576万km)以来、じつに15年ぶりに火星が地球に5,759万kmの距離まで近づくため、この前後は火星観察の絶好の好機となるのです。
火星最接近時は肉眼でどこまで観察できる?
では地球に最接近した火星は肉眼でどこまで観察できるのでしょう。
残念ながら、地球に最も近づいた時でも、肉眼では夜空に「明るい点」としてしか見ることはできないでしょう。
いくら近づいたといっても火星と地球は6,000万kmくらい離れているのです。
ちなみに地球から一番近い天体の月は地球から約38万kmの距離です。これは時速80kmで約6か月の距離です。火星は最接近しても地球から月までの距離より150倍以上も遠くにあるのです。
ただ、火星は夜空では非常に明るく輝くので、肉眼でも火星は簡単に見分けることができるでしょう。
7月28日には観測条件がよければ「月入帯食」する月と最接近する火星を同時に観察することができるかもしれません。
2300年までの火星最接近予定
15年または17年ごとに地球に最接近する火星。1924年からこれまで、そして今後の火星最接近の予定をまとめてみました。
年月日 | 地心距離 | 視直径(秒角) |
1924年8月22日 | 5,578万km | 25.1 |
1939年7月27日 | 5,803万km | 24.1 |
1956年9月7日 | 5,656万km | 24.7 |
1971年8月12日 | 5,620万km | 24.9 |
1988年9月22日 | 5,881万km | 23.8 |
2003年8月27日 | 5,576万km | 25.1 |
2018年7月31日 | 5,759万km | 24.3 |
2035年9月11日 | 5,691万km | 24.6 |
2050年8月15日 | 5,596万km | 25.0 |
2065年7月20日 | 5,978万km | 23.4 |
2067年9月26日 | 5,934万km | 23.6 |
2082年8月31日 | 5,588万km | 25.1 |
2097年8月4日 | 5,713万km | 24.5 |
2114年9月16日 | 5,727万km | 24.5 |
2129年8月20日 | 5,584万km | 25.1 |
2144年7月24日 | 5,915万km | 23.7 |
2161年9月4日 | 5,604万km | 25.0 |
2176年8月8日 | 5,679万km | 24.7 |
2193年9月19日 | 5,763万km | 24.3 |
2208年8月24日 | 5,577万km | 25.1 |
2223年7月29日 | 5,862万km | 23.9 |
2240年9月9日 | 5,619万km | 24.9 |
2255年8月13日 | 5,650万km | 24.8 |
2272年9月24日 | 5,810万km | 24.1 |
2287年8月29日 | 5,569万km | 25.2 |
※地心距離とは太陽系内の天体(または惑星系)の中心と地球中心との距離のことです。
※視直径とは天体の見かけの直径を角度で表したものです。地平をぐるりと見渡す際は360度の角度がありますが、その1/360が1度角、その1/60が1分角、更にその1/60が1秒角となります。ちなみに太陽と月の視直径はほぼ30分角あります。最接近したとはいえ火星の視直径が太陽や月に比べるといかに小さいかよく分かります。
今回の2018年07月31日の次に火星が最接近するのは、17年後の2035年9月11日になります。
また前回の2003年の最接近は1924年以来の、火星が地球の5,600万km以内まで近づいた世紀の大接近でしたが、次に5,600万km以内まで近づくのは32年後の2050年8月15日のようです。
もしかしたらその頃には人類は火星に降り立っているかもしれません。
世紀の天体ショー、あなたは誰と一緒に観察しますか。
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