【海外銀行口座のデメリット】海外銀行口座開設について真剣に考えてみた(3)

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 前回は、海外銀行口座開設のメリットについてお話しました。

しかし海外銀行口座開設は良い点ばかりではありません。

そこで「海外銀行口座開設について真剣に考えてみた」3回目の今回は、海外銀行口座開設のデメリットについて考えてみます。

海外銀行口座開設のデメリット

海外銀行口座開設には、日本から遠く離れた海外ならではの問題や、日本の銀行サービスに慣れ親しんだ私たちに馴染みのないルールがあったりします。

具体的には、次のようなデメリットがあると思います。

(1)口座開設の難しさ

以前は前述のHSBC香港でも、日本に居ながらインターネットや郵送での手続きで口座開設できたそうです。

ところが、2012年12月11日に英HSBCホールディングスが米司法省などに過去最大の19億2100万ドルの罰金を課せられるなど、大手銀行に厳罰化の動きが進む中、マネーロンダリング対策(Anti-Money Laundering: AML)順守のために、海外銀行口座開設は厳格化されてきました。

英HSBCに米当局が過去最大の罰金、資金洗浄問題で19億ドル
[11日 ロイター] 英銀大手HSBCホールディングスは11日、米国の反マネーロンダリング(資金洗浄)法の順守が不適切だった問題で、米司法省などに19億2100万ドルの罰金を支払うことで合意したと発表した。罰金額は銀行による支払い額としては過去最大。

そのため現在では、海外銀行口座を開設するためには、現地に行って英語または現地語で手続きする必要があるようです。

また、銀行によっては現地に居住していないと口座を開設できないところも増えているようです。

HSBC香港でも、語学力のない日本人への警戒から締め付けが厳しくなっているため、余程の語学が堪能でなければ自力での口座開設は難しいそうです。

語学力に自信がなければ、海外口座開設ツアーを利用する方法もありますが、いずれにしても「渡航費用」「口座開設費用」が掛かることを考えると、金銭面からも日本国内の銀行のように簡単に口座開設とは行かないと思います。

(2)口座維持手数料が掛かる

海外銀行口座では、毎月、口座維持手数料が発生するものもあります。

例えばHSBC香港では、過去3カ月の預金平均残高が基準口座残高(TRB:Total Relationship Balance)を下回ると口座維持手数料が発生します。

預金平均残高・口座維持手数料は口座の種類ごとに異なり、最も手数料の安いPersonal Integrated( パーソナルインテグレーテッド)では月額60HKD(約840円)、最上級クラスのPremier(プレミア)では380HKD(約5,320円)の口座維持手数料が掛かります。(※1HKD=14円の場合)

常に、口座維持手数料が気にならないくらい残高があればいいのですが、気を付ける必要があります。

(3)口座を凍結されることがある

海外銀行口座では、長期間利用していない状態が続いたり口座残高が不足していると、口座が凍結されてしまい、口座内の資金を出すことが出来なくなってしまうことがあります。

口座を凍結されないためには、「インターネットバンキングを使った両替や送金」「ATMからの預金の引き出し」など、口座を定期的に利用すればいいのですが、ただ預けっぱなしにしていると、いつの間にか「預金が引き出せない」という事態になることがあるのです。

特に、手数料の引落しなどで「残高不足」になり凍結されてしまった場合は、銀行への「借入」の状態で口座維持手数料が掛かり続けてしまいます。

残高不足で強制解約になると金融審査に影響してしまうので早急な対応が必要となります。

日本の金融機関でも毎年、約1千億円の「休眠預金(10年以上放置されたお金)」が発生し、預金者から請求があったり、金融機関からの連絡がついたりして払い戻した分を差し引いても、年500億~600億円が金融機関の利益となっていました。

2016年(平成28年)12月に「休眠預金活用法」が成立し、これまで金融機関の利益となっていた休眠預金は、NPO法人や自治会など公益活動を担う団体に助成したり融資したりして活用することになったそうです。

(4)銀行員とのやり取りを「現地語」「英語」で行わなければならない

多くの手続きはオンラインバンキングで出来ることも多いようですが、それでも万が一のトラブルの際には、直接、銀行員とやり取りしたり、書類で手続きをする必要があります。

しかし、これらは当然「現地語」または「英語」で行わなければなりません。

前述の「口座凍結」も電話連絡すればすぐに解決できるようですが、英語を話せなければ、それすらとても難しいことです。

口座解約も英語での書類作成や銀行とのやり取りが必要になります。

(5)口座に「入金」する際に手間がかかる

海外銀行口座を開設した後、自分の口座に「入金」をするには、基本的には現地の銀行窓口や現地のATMで行う必要があります。

日本国内から行うためには、自分の海外銀行口座に「海外送金」を行わなければなりません。

まとめ

3回にわたって海外銀行口座開設についてまとめてみました。

いかがでしょう。あなたは海外銀行口座を開設してみたいと思いますか?

海外投資を行う方には、海外銀行口座の開設はとても魅力的だと思います。

一方、私は、自分で考えを整理していくうちに、「今の私には海外銀行口座開設は必要ない」と考えるようになりました。

その理由は「口座開設費用」。

海外口座を開設しようとすると現地への「海外渡航費用」「口座開設をサポートしてもらう費用」「口座開設後の預金」など、口座を開設・維持するだけでそれなりの費用が掛かってしまいます。

今の私には、その費用はありませんし、そこに費用を掛けるのであれば、まずその費用を「投資」などに回した方が良いと思いました。

可能であれば、今、海外投資している案件の受け取りをする際までに海外銀行口座を開設したいと思いますが、今は、それよりもまず資産を貯めるのを最優先に考えていくべきだと思います。

とはいえ、少額でもいいので外貨を持つ手段は持っておきたいと思います。そのために手段として「e-wallet (イーウォレット)」の口座を開設しようと考えています。

そこで、次回は「e-wallet (イーウォレット)」について考えてみようと思います。

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