こんにちは。
あなたは「AdSenseは広告がたくさんクリックされればもうかる」と考えていませんか?
たしかにAdSenseは広告がクリックされることで収益を得られる仕組みです。しかしやみくもにクリックされるだけでは収益をえられるどころか、逆に収益を下げる要因になってしまう可能性もあるのです。
今回は、AdSenseで広告のクリック数が多いだけでは収益が増えない理由について考えてみます。
AdSense指標の平均・目安
ところであなたは、AdSenseで確認できる指標の平均や目安をご存知でしょうか?
よくいわれるAdSense指標の平均はだいたい下記のような数値が多いように思います。
クリック率:0.2%
クリック単価:30~40円
ページRPM:200~300円
1PVあたりの収益:0.2~0.3円
※ページのRPMとは見積もり収益額をページビュー数、表示回数、またはクエリ数で割ってから1000を掛けた数値で次の計算式で求められます。「見積もり収益額 ÷ PV数 × 1000=ページRPM」
もちろん、サイトのテーマや掲載している記事のジャンルによって指標は変わるので一概にはいえませんが、一般的にはこれくらいではないかといわれているようです。
以下は、今年に入ってからの私のAdSense指標です。おおむね平均に近い数値になっています。
【参考】2018年1月~4月のクリック率・クリック単価・ページRPM
1月 2月 3月 4月 クリック率 0.18% 0.17% 0.21% 0.19% クリック単価 49円 44円 42円 34円 ページRPM 456円 416円 529円 372円
では、この数値をみてあなたはどう思われたでしょうか?「もっと高い」という方や「平均より低い」という方もいらっしゃると思います。
気をつけたいのは「低い場合」。とくに「クリック単価」「ページRPM」が低い場合には注意が必要かもしれません。
広告のクリック数が多いだけでは収益は増えない
次は、広告のクリック数が多いだけでは収益が増えない理由について考えてみます。
AdSenseの収益は広告がクリックされると収益が得られる仕組みで、その収益は次のように算出されています。
AdSense収益 = アクセス数 × クリック率 × クリック単価
※AdSenseには広告クリックによる収益の他に広告表示回数による収益(インプレッション収益)もありますが今回は割愛します。
つまりいくらたくさん広告をクリックされても「クリック単価」が低ければ大きな収益は見込めないのです。
以下は私のサイトの記事ごとのクリック数と収益の比較です。確認はAnalyticsで行っています。金額が$表示なのはそのためです。
【参考】記事別のAdSense収益比較
クリック数 クリック率 収益 クリック単価 記事A 377 0.49% $32.37 $0.09 記事B 240 0.25% $118.17 $0.49 記事C 128 0.12 $26.36 $0.21 記事D 92 0.52 $16.15 $0.18
記事Aは「自己肯定感」について、記事Bは「金融サービス」について、記事Cは「PCメンテナンス」について、記事Dは「ニンテンドースイッチ」について書いた記事で、A・Bははてなブログ、C・DはWordPressサイトに掲載しています。
Google Analyticsで記事ページごとの収益を確認する方法はこちらでご紹介しています。
記事のジャンルや掲載されているサイトが異なることが要因だと考えられますが、もっとも収益が多い記事Bともっともクリック数の多い記事Aではクリック単価に5倍の差があります。
つまり記事Bでの1クリックには、記事Aでの5クリック分の価値があるのです。実際、記事Aは記事Bに比べて100回以上多くクリックされているのにも関わらず、収益では記事Bの方が4倍近く多くなっています。
確かにAdSenseには『クリック単価の高いジャンル』があります。例えば「投資系」「転職系」「不動産関連」「教育系」「BtoBビジネス系」などは、広告主の広告出稿単価が高くクリック単価が高い傾向にあるといわれています。
とはいえ収益を得ることだけを目的としているのでもなければ「ジャンル」こだわる必要はありません。それよりは自分の好きなこと・興味のあること・他の人より深い知識を持っていることを、自分なりの視点で記事にしていった方が、記事を作成する労力も少なくてすみ、結果として長く続けられることにもなります。
しかし、AdSenseのクリック単価には「ジャンル」以外にもクリック単価に影響する要因があります。それは「スマートプライジング」です。
AdSenseのクリック単価を左右するスマートプライジング
スマートプライジングとは、GoogleがあなたのAdSenseアカウントが広告主にとって有用かどうか判断し、有用でないと判断した場合はクリック単価を下げるという仕組みのことです。
広告主にとって有用というのはようするに
アドセンス広告クリック後に訪れた広告主のページの滞在時間が長かったり、商品が売れたりすることです。
例えば、サイトの内容が充実していて、広告をクリックした人が良く購入してくれるようなサイトは「良い顧客を送客している」として広告主にも喜ばれるためクリック単価が上がる傾向にあります。
逆に、誤クリックが多かったり「購入率が低いユーザーばかりを送客してくる」サイトは「広告掲載価値が低い」と判断されシステムが単価を切り下げてしまうのです。
つまり広告クリック数ばかりに目をうばわれていると、いつの間にかクリック単価が下げられてしまっているという事態になりかねないのです。
さらにおそろしいことには「スマートプライジング」はAdSenseアカウントに登録されている全てのサイトについて判断されます。そのため、もし1つのサイトが有用でないと判断されてしまうと、AdSenseアカウント全体でクリック単価が下げられてしまうのです。
つまり過去に公開していた内容のうすいダメサイトにAdSenseを貼っていたりすると、メインサイトのクリック単価も下げられてしまう可能性があるのです。
しかしGoogleはどのサイト・どの記事がクリック単価を下げている要因になっているのかということは教えてくれません。
AdSenseヘルプの「収益の減額に関するよくある質問」のページでも、以下のような記載があります。
減額の原因となったチャネルやドメインなど、詳しい情報を確認することはできますか。
無効な操作の検出システムの信頼性を確保し、システムが迂回されるのを防ぐため、アカウントでどのような操作が検出されたかをお知らせすることはできません。
では、自分のAdSenseアカウントが「スマートプライジング」の影響を受けているかどうかはどのように判断すればよいのでしょうか?
その影響は毎月のAdSense収益確定の際の「無効なトラフィック – コンテンツ向け AdSense」で引かれる金額で判断することができるかもしれません。
AdSenseでは、アカウントで無効なクリック操作や Google ポリシーに反する操作が確認されると、そうした操作で発生した収益が減額されます。つまり、「無効なトラフィック – コンテンツ向け AdSense」で引かれる金額は、あなたのサイトでどれだけ誤クリックが発生していたかの目安になると考えられます。
でも結局、Googleが明確な要因を教えてくれないのであれば、サイト・記事の品質を高め、誤クリックを防ぐ以外、対応策はないような気がしまう。
まとめ
という訳で、今回は、AdSenseで広告のクリック数が多いだけでは収益が増えない理由について考えてみました。
AdSenseをはじめると、いかに広告をクリックさせるか、ということを考えてしまうこともありますが、誤クリックを誘発するような方法は「スマートプライジング」によってクリック単価を下げられてしまう要因にもなるため、収益を上げるためには逆効果になってしまいます。
また、AdSense広告をたくさん表示するために品質の低いサテライトサイトを量産してしまったりするのも、あなたのAdSenseアカウント全体のクリック単価を下げられてしまうことになる可能性があり危険です。
結局、AdSenseで収益を増やすにはGoogleのポリシーに則って、コツコツと地道に良質な記事を増やしていくことが一番の近道なのです。
AdSenseで広告のクリック数が多いだけでは収益が増えない理由についての考察は以上です。
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