28日未明、コインチェックが不正流出した仮想通貨「NEM(ネム・XEM)」を全額返金することを、ホームページにて発表しました。
発表された補償内容によると、今回、コインチェックから流出したNEMは5億2300万XEM、保有者数は約26万人もいたそうです。
コインチェックは、そのNEMの保有者全員に日本円でコインチェックウォレットに返金することを発表したそうです。
補償する金額は総額約460億円!?
今回、補償する金額は、NEMの取扱高が最も多い仮想通貨取引所「Zaif(ザイフ)」のNEM価格を参考に、コインチェックでNEMが売買停止された時から今回の補償発表までの期間(日本時間2018/01/26 12:09~2018/01/27 23:00)の出来高の加重平均を使って返済額を計算。
その金額は『1XEM(XEMはNEMの取引単位)=88.549円』になるそうで、『保有数×88.549円』が保有者への補償金額になるそうです。
流出時の総額は約580億円と発表されていましたが、その後のNEMの値下がりで返済額が約120億円ほど少なくなったようです。
しかし、それでも約460億円と2014年マウントゴックスの時(約470億円)に匹敵する金額です。
その返金原資は自己資金を使い、補償時期や手続きの方法については現在検討中とのことです。
明確な補償時期や手続きの方法がまだ発表されていないのでまだ安心はできませんが、今回の流出事件をあきらめかけていた人にとっては、とりあえず朗報ではないでしょうか。
コインチェックは事業継続できるのだろうか?
今回の発表では、補償内容の他に
- セキュリティ体制の強化などを含めたサービスの再開に尽力する
- 金融庁への仮想通貨交換業者の登録申請について継続的に取り組む
ことを明らかにし、今後の事業継続への姿勢をアピールしていました。
はたして、コインチェックはこのまま事業継続できるのでしょうか。
事業継続に必須なのが、今回の約460億円にも上る補償の完遂だと思います。ずさんなセキュリティなどが引き起こした不正流出で失ってしまった信用を取り戻すには「補償を完全に最後までやり遂げた」という実績が必要不可欠。
逆に、今後、今回の補償をしっかりと行うことができれば、新たな信用の獲得にもつながるかもしれません。
今回の全額返金の発表も、そういった信用不安を払拭するために行われたのではないかと思います。
私の周辺でも、昨日から「コインチェックから他のウォレットへの送金」を試みている人が何人もいました。1/27夕方くらいから
「上手くいったか分からないけれど少し送金できた。でもまだ着金していない
「Bitcoin Cashは規制がかかっていて全額は送金できなかった」
「Rippleも送金手続きはできました」
「送金手続きはできたけれど、着金の確認はできていない」
という話も出ており、コインチェックから出金を試みるユーザーはけっこういるのではないかと思います。
今回の補償の発表で、そういった動きをどこまで抑制できるでしょうか。
また、コインチェックは今回の返金原資を自己資金から行うとしていますが、資本金9200万円のコインチェックが本当に自己資金で約460億円もの金額を補償することができるのかという不安もあります。
今回の補償の発表が「時間稼ぎ」などではないことを祈ります。
その上で、コインチェックが今回の補償を完遂し、信頼できる仮想通貨取引所として安心して利用できるようになるのが一番だと思います。
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