こんにちは。
あなたは普段、話をするときや一緒に仕事をするときに「この人は話しやすいな」「この人はやりずらいな」と感じることはありませんか。
人はそれぞれ思考方法や、ものごとを理解するプロセス、伝える方法などが異なります。これはとても当然なことで、誰もが知っていることです。
ところが、他者とコミュニケーションを取るとき、私たちはついそのことを忘れてしまいがちです。そのため他者と接するときには自分を基準としたコミュニケーションを取ってしまいます。
すると、あなたが同じように接しているのにも関わらず、相手によって「接しやすい人」「やりづらい人」が出てきてしまい「あの人とは合わない」「相性が悪い」なんて思いがちです。
でも、よく考えてみてください。
人はそれぞれ思考方法や、ものごとを理解するプロセス、伝える方法などが異なります。似ている人はいても、すべて同じという人は一人としていないのです。
であれば、あなたが同じように接していては、相手によって上手くいかないことがあるのは当然ですよね。
「人によって態度をかえない」ということがいわれますが、誰とでも円滑なコミュニケーションを交わすには、態度は変えずに、相手に合わせて関わり方を変えることが必要なのです。
今回は、自分や相手のタイプを知ってコミュニケーションを円滑にする方法について考えてみます。
自分や相手のタイプを知る方法
相手に合わせたコミュニケーションを取るには、まず自分や相手がどんなタイプなのかを知る必要があります。そのために、まずは自己分析を行なって自分のタイプを知ることからはじめてみましょう。
世の中には実に様々な自己分析の手法がありますが、今回は比較的簡単に行うことができる「四魂の窓」やコーチングにおける「タイプ分け」という手法をご紹介します。
四魂の窓によるタイプ診断方法
四魂の窓とは心理学者の出口 光氏が考案した、日本古来の「一霊四魂」の考え方に基づいて、人の特性を4タイプに分ける心理学のことです。
「一霊四魂」とは、人の心は、4つの魂(エネルギー)から成り立ちそれらを1つの霊がコントロールしているという考え方です。
四魂は、「勇」「親」「愛」「智」の4つの機能から成り立ち、人は4種類全ての魂を持っていますが、それぞれの魂の強さは人によって異なります。そして、四魂の強さの違いがその人の性格を形成しているのです。
つまり、その人の最も強い四魂を知ることができれば、その人がどんな性格なのか、その人の魂のベースを見分けることができるのです。
どの魂が強いのかを「たった2つの質問」で知ることができる簡単な診断手法、それが四魂の窓です。
たった2つの質問と聞いて、あなたはもしかしたら「なんか怪しくない」「人の心はそんな単純じゃないのでは」と思うかも知れません。
しかしそこに至るまでには、何度も実験を重ね、その結果を因子分解という統計学的な分析を行い、当初100問の診断テストを18問、そして最終的に「2つの質問」にたどり着いたそうです。
ちなみに100問の質問に答えるには30分、18問の質問でも5分はかかってしまいます。これでは自己分析はまだしも、相手を知るために気軽に使うことはできません。
しかし、2問くらいであれば、わざわざ質問しなくても、さりげなく会話に織り交ぜることもでき、初対面の人がどんなタイプなのかを診断するのにも使うことができます。
4つの魂のうちどれが優勢かは、次の2つの質問から診断します。
Q1 あなたは、情熱的ですか?冷静ですか?
Q2 あなたは、合理的ですか?情緒的ですか?
さて、あなたの心にはどのような答えが浮かんだでしょうか。
とても簡単な質問なので「HOTかCOOLか」「DRYかWETか」といいかえれば英語圏の人たちも診断することが可能です。
四魂の窓では、この2つの質問の答えの掛け合わせ(2×2=4)で、人を次の4つの魂のベースに分類します。
- 情熱的で合理的な「勇」ベース
- 冷静で情緒的な 「親」ベース
- 情熱的で情緒的な「愛」ベース
- 冷静で合理的な「 智」ベース
とはいえ、こんな簡単な質問でも、人によっては答えに迷ってしまうこともあると思います。というのも、人間は「他人のことは良くわかっても、自分のことはよくわからない」ものなのです。
また、あなたの自己認識の評価によっては、間違った答えを出してしまう可能性もあります。
例えば、完璧主義の人は「自分の理想とする合理的な状態に及ばないから」と自分を情緒的と思ってしまうことがあるかもしれません。
そのため、もし迷ってしまう時は周りの人にたずねてみるのも1つの方法です。
コーチングの「タイプ分け」によるタイプ診断方法
人材育成の手法として近年注目を浴びているコーチングの基本的な技術に、相手の特徴を見極める「タイプ分け」というスキルがあります。
このタイプ分けでも四魂の窓と同じように、人を次の4つのタイプに分類することができます。
- コントローラー(情熱的で合理的な「勇」ベース)
- プロモーター(冷静で情緒的な 「親」ベース)
- サポーター(情熱的で情緒的な「愛」ベース)
- アナライザー(冷静で合理的な「 智」ベース)
縦軸を「自己主張」、横軸を「感情露出」としているため、四魂の窓とは一部マトリクスが異なりますが、その分類は同じものです。
コーチングの「タイプ分け」では「四魂の窓」のようにシンプルな質問で診断することはできませんが、診断ツールを利用すれば自分がどのようなタイプなのかを知ることが可能です。
有料のアプリを使えば、iPhoneで自分のタイプをに簡単に知ることができます。
四魂の窓で、質問の答えに迷ってしまった人は、合わせてこちらも試してみると良いかもしれません。
診断結果(各タイプの特徴)
さて、あなたは「四魂の窓」「タイプ分け」でどれに分類されたでしょうか。その診断結果について順番にご紹介します。
情熱的で合理的な「勇」ベース(コントローラー)
あなたの心にもっとも強く影響を与えている魂は、とても行動的な「勇」です。
あなたは、友人から「人の話を聞かない」と言われることはありませんか。
「勇」ベース(コントローラー)の人は、とにかく行動することが大切で、とにかくやってみようという考えが強く、とても行動的でエネルギッシュです。その根底には、物事をなにがなんでも達成しようという強い意志があります。また、自分が思ったとおりに物事を進めることを好む傾向にあります。
皆を牽引する行動力がある一方、思い通りにしたがる傾向にあります。正直であけっぴろげで、他人の不正や偽善を暴露することがある反面、自分の内面に目を向けるのは苦手です。
〈見分けるポイントや対処法〉
「勇」ベース(コントローラー)の人は、話す速さや反応速度が速く、結論から単刀直入に、要点を話そうとする傾向にあります。その口調は断言口調であることが多いです。
正論やきれいごとをならべることがありますが、粘り強く会話し本音を聞き出すことが大切。揚げ足取りや討論には応じず、率直に話すようにしましょう。
短時間で仕事をこなす人を尊敬するタイプなので、時間を区切って短時間で対応するのが吉。決して支配的な態度を見せないように注意しましょう。
冷静で情緒的な 「親」ベース(プロモーター)
あなたの心にもっとも強く影響を及ぼしている魂は、とても和を尊ぶ「親」です。
あなたは、友人から「掴みどころがない」「何を考えているかわからない」と言われることはありませんか。
「親」ベース(プロモーター)の人は、つねにみんなのことを考えグループの調和を願う考えが強く、気配り上手で、優しい空気の読める人です。その根底には自分より皆のために、仲間の平和のために、という強い意志があります。そのため、アイデアを大切にし、人と活気あることをするのを好む傾向にあります。
楽しいことが好きで、アイデアが豊富で創造力があり、包括的な仮説を立てる才能がある一方、そのアイデアは成り行き任せで非現実なことも。仕切るのが好きで仕切り上手な反面、計画を立てるのは苦手です。
〈見分けるポイントや対処法〉
「親」ベース(プロモーター)の人は、話す速さが速く、反応速度も早めですが、話があちこちに飛び、展開が早いため長話になる傾向があります。その口調は抑揚があり、身振り手振りを交え楽しそうに話すことが多いです。
そのアイデアは面白いが実現困難なことも多いですが、それをむげに却下せず、まず肯定し、その上で新たなテーマを提案するようにしましょう。
理論的で説得力のある話は素直に聞く対応なので、理論的に話すようにしましょう。
情熱的で情緒的な「愛」ベース(サポーター)
あなたの心にもっとも強く影響を与えている魂は、感情や思いやりを大切にする「愛」です。あなたは、「話が長い」とか「前置きが長い」と言われたり、あなたのことで相手にたくさんの時間を使わせていることはありませんか。
「愛」ベース(サポーター)の人は、お互いに分かり合えることが最も大切で、相手を理解したいし、自分も理解されたいという強い思いがあります。その根底には、相手に何かしてあげたい、相手を傷つけたくない、という思いやりがあります。また他人を援助することや、協力関係を好む傾向にあります。
温かく穏やかな人柄で、協調性が高く、人を援助するという意欲的な面がある一方、計画や目標を立てることに関心がないという一面も。人の心を読むのが得意で、直観力がある反面、感情に基づいて判断しがちで、早く決断することは苦手です。
〈見分けるポイントや対処法〉
「愛」ベース(サポーター)の人は、話がゆっくりで、反応速度もややゆっくりです。その話は、前置きが入り、かつ、すべてのことを話そうとするため、長くなりがちです。その口調は穏やかで優しく、うなずきや相づちを入れることが多いです。
人の期待に応え、対立を避けようとするあまり、誰に対しても「いい人」になってしまい「YES」といいがちなため、言葉だけでなく、相手の表情や手の動き、間合いの取り方などを観察して本音を知るようにしましょう。
接するときは、穏やかであたたかみのある対応を心がけ、ねぎらいの言葉も忘れずに。
自分の献身に対して、相手に代償を求める傾向があり、そうしてもらえないと、激しく攻撃してくることもあるので、つねに相手を認める気持ちを忘れないように注意しましょう。
冷静で合理的な「 智」ベース(アナライザー)
あなたの心にもっとも強く影響を与えている魂は、好奇心旺盛な「智」です。
あなたは、友人から「冷たい」「マイペース」と言われることはありませんか。また、人の話や行動を見て「こうしたらよいのに」「ああすればよいのに」と評価していませんか。
「 智」ベース(アナライザー)は、ものごとの真理や興味を探究することが最も大切。よく考えて、無駄なことをしたくないという強い考えがあります。その根底には、価値あるものを求めたい、美しいものを求めたいという真理を探究する思いがあり、世界を評価的に見てしまうのです。
行動に際して多くの情報を集め、分析し、計画を立て、粘り強く、最後までやりとげる一方、事前準備を疎かにして急かしたりすると動いてくれません。理解力や洞察力が高く、的確な意志決定ができる反面、正しさを重視するため、失敗や間違いを嫌い、変化や混乱には弱いです。
〈見分けるポイントや対処法〉
「 智」ベース(アナライザー)の人は、常に正確に話そうとするため、話す速度や反応速度はゆっくりです。明確で論理的な話し方で、順を追って、ロジカルに話すので、話も長くなりがちです。声の調子も単調、冷静で、冷たい印象というを受けるのはそのためかもしれません。
感情を表に表さないので、表情などから簡単に彼らの心境を読もうとしないようにしましょう。新しいことに対しては、正しい答えを出すために熟考し早急に決断を下さないので、決断するため情報を与え、返答はじっくりと待つ、後で考えを聞くなどの配慮が必要です。
予期しない出来事に弱く、パニックになりやすいため、何かを任せる時は、意図や目的、ゴールまでのステップ、リスク要因などを明らかにするようにしましょう。
まとめ
診断結果は、いかがでしたでしょうか。
人によっては、どれか1つではなく、当てはまる内容が2つという人もいるかもしれません。というのも、人は「勇」「親」「愛」「智」の4種類全ての魂を持っています。ですから4つのうちの「どれが心にもっとも強く影響を与えているか」という風に見るのがよいでしょう。
ちなみに、私の場合、先程ご紹介した「タイプ分け」の簡易診断ツールの結果は次の通りでした。
コントローラーの点数:4
プロモーターの点数:-5
サポーターの点数:2
アナライザーの点数:7タイプは
アナライザー
です
四魂の窓では「智」の影響がもっとも強く、次いで「勇」の影響もあるタイプのようです。
私のブログを見ても、データを並べて、理路整然と書き進めようとするあたり、「智」というのは確かに当たっているような気がします。
ちなみに、話し口調は超早口で、結論から単刀直入に話すあたりは「勇」そのものです。
「智」「勇」兼備なんてとても良さそうですが、悪い面にも思い当たることがたくさんありました。
人は、無意識のうちに、この自分のタイプで相手に接しています。そのため、相手のタイプによっては、コミュニケーションが上手くいかないことも発生してしまいます。
そうならないためにも、まず自分の、そして相手のタイプをよく知り、相手のタイプに合わせて接することができれば、どんなタイプの人とも円滑なコミュニケーションを持つことができるようになるのです。
四魂の窓なら、たった2つの質問で、相手の心の特徴を診断することができます。コミュニケーションが苦手だという方は、とりあえず、あなたの周囲の人がどんなタイプなのかを診断してみるのはいかがでしょう。
自分や相手のタイプを知ってコミュニケーションを円滑にする方法の紹介は以上です。
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