こんにちは。
あなたは普段生活する中で、このような感覚を持つことはありませんか。
大勢の中にいると落ち着かない。
はしゃいでいる人を見るとイライラしたり、冷静になってしまう。
私なんかが出しゃばってはいけない。目立ってはいけない。
誰かに褒められたり認められたりするとなんだか居心地が悪い。
なぜだかわからないが、そんな風に感じてしまったり、そんな態度や行動をとってしまう。
もしかしたらそれは、あなたが無意識のうちに自らが課している「禁止令」のせいかもしれません。
今回は、気づかないうちにあなたを縛っている「禁止令」について考えてみます。
禁止令ってどういうもの?
禁止令とは心理学者エリックバーン博士によって開発された自己分析法で、文字通り「〇〇してはいけない」という「禁止」の「命令」のことです。
この禁止令は、幼いころに親などの養育者から否定的・禁止的な命令や態度を繰り返し受けることで、自らの思考や行動の制限を課してしまうものです。
あなたは子どもの頃に
「知らない人について行ってはいけません」
「ご飯の前にお菓子を食べてはダメ」
「子どもは早く寝なさい(夜更かしはいけない)」
という「〇〇してはいけない」ということをいわれたり、親から冷たく投げやりな態度をとられたり、無視されたりしたことはないでしょうか。
そういった親からの言葉や態度を受けて、自らの行動にブレーキを掛けてしまうようになります。
例えば、親に甘えた時にそっけない態度をとられた子どもは、親に「近づかないで」と拒絶されるように感じて、親に対して
「近づいてはいけない」
という禁止令を課してしまうのです。自分自身で「〇〇するな」という命令を下し、「〇〇してはいけない」という決心をくだすのです。
禁止令は、子どもが親の愛を必死で得ようとする生存本能によって自らに課してしまうもので、いわば子どもの「思い込み」です。
ところが子どもは親の禁止令を受けて、それに従うかのように人生についての決心を下し、その決心に従った人生を歩んでしまうのです。これを人生脚本といいます。
幼少期にできた「思い込み」とそれによる「決心」は、あなたの潜在意識に刻み込まれているため、大人になってからも消えることなく、あなたの人格形成に大きな影響をおよぼしています。
あなたを苦しめる禁止令
禁止令は、あなたの過去の経験や親との関係によって、無意識のうちにあなたの行動を制限してしまっています。
以下に、あなたを縛る24の禁止令についてご紹介いたします。はたして、あなたの潜在意識にはどんな禁止令が刻まれているのでしょうか。
生存に関する禁止令
1.存在するな
あなたは理由もなく
「死にたい」
「どこかに消えていなくなってしまいたい」
と感じたり思ってしまうことはありませんか。
幼少期に虐待を受けたり、あからさまな拒絶や存在無視、あるいは「お前さえいなければ~」などと親の不幸の原因が子どものせいであるようなメッセージを受けると
「自分は存在しないほうがいい」
「自分は生きていてはいけない」
という禁止令をつくってしまいます。親の自殺や、他人の死を喜ぶような態度は、とくに強力な禁止令となってしまう可能性があります。
自分は価値がないと感じたり、アルコールや薬物などに依存してしまう人、リストカットをしてしまう人、あえて不利な条件で危険なことをしてしまう人は、この禁止令の影響を受けているのかもしれません。
2.健康であるな
あなたは
「身体にとくに悪いところがあるわけでもないのに、よく体調を崩す」
「ちょっとした風邪やケガでも大げさにしてしまう」
ことはありませんか。
もしそうなら、それはあなたが「健康であるな」という禁止令を課しているからかもしれません。
「健康であるな」は、子どもの頃、普段かまってくれない親が病気やケガの時だけ優しくしてくれたという人や、親の関心が身体の弱い兄弟姉妹ばかりに向けられているのを見た人に多い禁止令です。また、親が病弱で寝込んでいたり、何度も入院する姿を見て課すこともあるようです。
この禁止令を課している人は、自分の望む結果を得たい時、自分のお望まない結果を避けたい時に、無意識のうちにこの症状を作り出してしまうことがあります。それは「自分が健康でないことが自分にとって都合が良い状態を得られる」と無意識のうちに信じているためです。
この禁止令の影響を受けている人には、幼少期にはっきりとしたトラウマ経験を持たない場合も多く、むしろ不健康であることで大切にされたと感じているため、無意識のうちに病気を選択してしまっている可能性があります。
健康診断で命に関わる結果が出ても生活習慣を改めなかったり、無茶な暴飲暴食、不健康な生活を続ける人も「健康であるな」の影響を受けているのかもしれません。
3.信頼するな
あなたは
「人は信用できない」
と感じたり、逆に
「人を信用しなくてはならない」
と強く思ったり
「信用できない人、嫌いな人に近づいては、裏切られる経験を繰り返す」
ということはありませんか。
幼少期に、親がすぐ約束を破ったり、普段は優しいのに急に怒ったり、突然態度を変えるなどで、安心して信用できなかった、もしくは親から
「人を信じてはいけない」
といわれて育ったりすると、
「人は自分を傷つける存在であり、信頼は出来ない」
などと決断し「信頼するな」という禁止令を課してしまいます。
その結果、常に人を信用できないという感覚をともなう一方、とうてい信用できない人を信用しては騙されるということを繰り返し
「やはり人は信頼できない」
と決断を強化していくのです。
この禁止令の影響を受けている人は「つねに人間関係が壊れるという人生脚本」を持ち、友人関係や夫婦間でも、ことさら相手の嫌がることをして、安定した状態を崩してしまうこともあります。
感情状態が変わりやすく、怒りの抑制を欠く人、相手を勝手に理想化したり、卑下したり、操ろうとするなどの激しい対人関係が見られる人、つねに攻撃的で、人間関係を維持することが難しかったりする人は「信頼するな」の影響を受けている可能性があります。
4.重要であるな
あなたは
「自分に自信がない」
と感じたり思ってしまったり
「ちょっとしたことでもすぐに落ち込んでしまう」
ことはありませんか。
これは、子どもの頃に、親から「お前はダメだ」などと否定ばかりされたり、いつも怒られてばかりいた人、親に自分に意見を聞いてもらえず自己主張が許されなかった人によくみられる禁止令です。
また、テストでよい点を取ったり表彰されたりしたときに親から褒めて褒めてもらえないことが多かったり、自分以外の兄弟姉妹ばかりかわいがられていた人も
「自分は重要であってはいけないんだ」
とこの禁止令を課してしまうそうです。
この禁止令を持つ人は、常に目立たないように心がけ、責任を負うのを嫌う傾向にあります。自分が重要なポジションについた途端に実力が発揮できなくなってしまう人も、この禁止令の影響を受けている可能性があります。つねに
「重要であってはいけない」
とブレーキをかけてしまうのです。
一方で、自信がありすぎるような人や、つねに自分のすごさをアピールするような人も、この禁止令の影響を受けている可能性があります。
「自分は重要ではない」という内的感覚に対して、「重要であるな」という絶望的決断ではなく「重要でなければ生きている価値はない」という反抗的決断をした人にそのような傾向があります。
そうした人は、学業や仕事である程度の成果を出せることがありますが、つねに心の休まることがなく、ストレスを感じやすいという面では、絶望的決断を下した人と同じです。
つねに劣等感に悩む人、その劣等感を払拭するためにつねに「重要であろう」と自分を追い立て続けている人はいずれも「重要であるな」の影響を受けているのかもしれません。
5.正気であるな
あなたは
「変わっていなければいけない」
「私は人と違って、どこか変わっている」
と感じたり思ってしまうことはありませんか。
子どもの頃に、頭がおかしいかのような発言や行動をした時だけ、人からほめられたり注目してもらえたり、統合失調症等の精神病を持つ親や親戚のマネをしても誰からも直されなかったりすると、この「正気であるな」という禁止令を課してしまうそうです。
この禁止令は、親から愛してもらえないという事実に直面して、自分を狂わせてしまうほどの絶望的な悲しみや恐れを感じた時に、その絶望感を感じなくて済むように、自分や他人、もしくはその両者に対しての憎しみと復讐心として発動されます。
そのため、無意識に自分で自分を追い詰めて気を狂わせようとしたり、動物の虐待などを行なってしまうこともあります。
「あなたは変わっている」「あなたは変だ」といわれると嬉しかったりする人や、クレイジーな行動で注目を集めようとする人は「正気であるな」の影響を受けているのかもしれません。
人間関係に関する禁止令
6.近づくな
あなたは
「人に近づくのが怖い」
と感じたり
「人と親密になれなかったり、仲良くなると自分の方から壁を作ってしまったりする」
ことはありませんか。
「近づくな」は子どもの頃に、親から「忙しいから後にして」「静かにして」などと距離を置かれたり、避けられたりしたことを
「近づくな」
というメッセージであると解釈することで課してしまいがちな禁止令です。
子どもはこの禁止令を持つと、親としゃべったり、自分の気持ちを親に話すのを避けるようになります。それは、やがて「他人に近づくのが怖い」「他人と親密になれない」などの感覚となり、大人になっても自分の本心やプライベートを打ち明けられない人になったりします。
人と一緒にいるとリラックスできなかったり、誰かといる時に自分の方からずっとしゃべり続けてしまうような人、嫌なことがあっても「自分が我慢すれば」と考えてしまう人、何かあっても一人でなんとかしようとしてしまう人も「近づくな」の影響を受けている可能性があります。
7.愛着を感じるな
あなたは
「私のことを愛してくれる人なんかいない」
「人を愛するのがこわい」
と感じたり思ってしまうことはありませんか。
「愛着を感じるな」は、幼少期に、親から愛情を与えられなかったり、愛情を求めたら拒絶された、放置、無視された、虐待されたりしたことで、愛情を求めたり、感じたりすることやめてしまった人が課した禁止令です。
この禁止令を決断した人は、とくに寂しさを感じやすく、人の愛情や好意を疑ってかかってしまう傾向にあります。それが過剰に働くことで、男女ともに攻撃的になり、恋人などへのDVに走ってしまう人も多いようです。
また、目に見えない愛情が信じられないことから、電話やメール、プレゼントの金額など、目に見えるものだけで愛情のありなしを判断し、そうしたものが満たされないと「愛してくれていない」と執拗に訴えたりすることもあります。
愛されているという感覚がない(と思い込んでいる)ため、愛着そのものに居心地の悪さや恐怖を感じたり、愛されることを回避してしまったり、一方で、嫉妬心や独占欲、所有欲が強く、目に見えるもの、手に触れられるものだけを執拗に求め続けてしまう人は「愛着を感じるな」の影響を受けているのかもしれません。
8.属するな
あなたは
「集団の中で孤立感や疎外感を感じて溶け込めない」
「組織の中でつねに”ここは自分の居るべき場所ではない”と感じる」
ことはありませんか。
「属するな」は、子どもの頃に、家族と離れて育ったり、海外や家柄の良い家、貧乏な家庭などで「自分は他のみんなとはちがう」と感じながら育ったり、学校でいじめや仲間外れを経験した人が課してしまう禁止令です。
また、非社交的で、親戚や近所との付き合いを好まなかったり、社会的に集団生活をうまくやれない親の姿をモデルとして受け入れてしまうこともあります。
他の禁止令のように幼少期に決断されることもあるが、小学校や中学校での仲間集団との関わりから決断することも多いそうです。
この禁止令を持つ人は、学校や職場などの集団・組織に溶け込めず、いつも一人で行動することが多くなります。また、集団に溶け込めず居心地が良くないため、組織に不平不満を持ちやすい面もあります。
社員旅行やサークルの合宿など、大勢で出かけているのに、いつの間にか一人で行動している人や、飲み会や合コンの誘いをいつも断る人は、もしかしたら「属するな」の影響を受けているのかもしれません。
9.子どもであるな
あなたは
「何でも率先してやらなければ気がすまない」
「人に気を使いすぎてしまう」
「子どもや子どもっぽい人が苦手で、見ているとイライラする」
「人前ではしゃげない」
と感じたり思ってしまうことはありませんか。
子どもの頃に、親に「お兄ちゃんなんだから」「お姉ちゃんなんだから」と言い聞かされたり、弟や妹の面倒を見るように命令されたり、幼くして親を亡くし、兄弟の世話や家事の責任を負ってきたりした人が、
「もう子どもではいられない」
と決断し、この禁止令を課してしまいます。
他にも、人生の快楽をすべて怠惰で悪とみなす親や、極端に他人に頼ることのない自立的な親の姿をモデルとして受け入れてしまうこともあります。
この禁止令を持つ人は、早い段階で自立をうながされ、子どもらしさを持つことを許されず、のびのびと子どもらしく自由に過ごせなかったことから、子どものような自由な振る舞いがしたくてもできません。
規則などには忠実ですが、自由な発想や行動が苦手で、型にはまった行動しかとれなかったり、融通がきかない、いわゆる「堅物」になりやすい傾向があります。
また、誰に対しても常に「いい子」「いい人」であろうして、人に気を使いすぎたり、本心でないことを言ってしまうことも。わがままを言ったり、人に甘えることもできなかったりします。
わがままであることや自分の感情を優先することを回避して、他者の感情を優先させようとしてしまうため、自分の欲求を素直に表に出せないのです。
素直に自分を出すことができる子どもや、子どもっぽい人を見てイライラしてしまうのは、その反動なのです。
子育て中の親で、子どもを甘えさせてあげられない人には、自分が甘えられずに育ち、今も素直に甘えられないために、無意識に「私はこんなに甘えるのを我慢しているのに」というように、この禁止令に縛られているのかもしれません。
10.欲しがるな
あなたは
「人に頼みごとができない」「頼みごとをすると罪悪感を感じる」
「自分は二の次。まずは、家族のため、親のため、子どものため」
「自分の欲求を素直に出している人を見るとイライラする」
と感じたり思ってしまうことはありませんか。
「欲しがるな」は、自分のために苦労や我慢をし続けている親の姿を見ていたり、「なんでもかんでも欲しい、欲しいといってはいけない」「我慢しなさい」と言い聞かされていた人が決断しやすい禁止令です。また、生きるために最低限必要なものすら与えられないような体験から決断することもあります。
この禁止令を持つ人は、自分の欲求を後回しにし、欲求を感じることや欲しがることを回避する傾向にあります。
そのため、自分の欲求が分からなかったり、欲求を素直に言えないだけでなく、他人に幸運を譲り、自らお幸せを壊すような行動をとってしまうこともあります。
自分が大切なものを「欲しい」といわれあげてしまう人、お金が苦しいのに恋人に貢いでしまう人、はたまた自分と同じ人が好きな友達の恋を応援してしまうような人は、「欲しがるな」の影響を受けているのかもしれません。
自己に関する禁止令
11.お前であるな
あなたは
「ありのままの自分ではダメだ」
「自分は何かが違うような気がする」
と感じたり思ってしまうことはありませんか。
幼少期に、親からいつも兄弟姉妹や他の子と比較され他の子ばかりほめられたり、「だからお前はダメなんだ」と人格的に否定されたりすると
「お前であるな」
という禁止令を課してしまいます。自分の人格を構成する属性(知性、感性、創造性、芸術性、容姿、美しさ、運動能力など)について「お前であるな(他の子のようであれ)」という否定的な決断を下してしまうのです。
また何でもきちんとしている模範的な親を見て育ち「自分も親のようでなければならない」と思い込んだり、容姿や服装などの見た目や世間体に口うるさい親に育てられ「お前であるな」と決断することもあります。
この禁止令を持つ人は、つねに自分と他人を比べてしまい、強い劣等感に苛まれたり、それを否定するために過剰な競争心を抱いたりする傾向にあります。
自分に自信がないので、まわりの評価や常識、世間体に左右されやすく、理由なく罪悪感を感じてしまったり、摂食障害や対人恐怖症になってしまうこともあります。
もし他人がほめられているのを見たり、聞いたりすると嫌な気分になってしまう人、そんな自分にさらに罪悪感を感じてしまう人は、つねに他者と比較され、自分を否定されてきたことによる「お前であるな」の影響を受けているのかもしれません。
12.お前の性であるな
あなたは
「男らしさ・女らしさという言葉を強く意識してしまう」
「異性と近づくことに違和感を感じる」
「生きていて何か違う感じがする」
と感じたり思ってしまうことはありませんか。
「お前の性であるな」は、親が望んだ性と違った性に生まれた子どもがよく課してしまう禁止令です。
「本当は、男(女)の子が欲しかった」と言われて育ったり、異性の兄弟(姉妹)だけが大切にされるのを見るなど、自分の性別やアイデンティティを否定されるような経験をすることで
「男(女)であるな(でなければ何もあたえられない)」
と解釈し、決断してしまうのです。
他にも、父親不在で男らしい遊びや役割など男性性を身につける機会を持てなかった男の子や、母親に「女は損よね」などと絶えず聞かされて育った女の子が決心することもあります。また、性的虐待を受けたことから「私が女だからこんな目に遭うんだ」と決心してしまうこともあるようです。
この禁止令を持つ人は、自分の性に自信がないおとから、「男らしさ」「女らしさ」という言葉に過剰反応してしまったり、同性に対して批判的、攻撃的になってしまう傾向にあります。
女性の場合には、女性らしい服装や格好をしなかったり(スカートを履かない・短髪・化粧をしない、など)、逆にことさらに女性らしい格好にこだわったりすることがあります。「男にだけは負けたくない」と男性にライバル意識を燃やし過ぎてしまうのも「女らしさ」への反発心からかもしれません。
部活やサークルなどで同性だけの集団にいるのが苦手な人や、異性の友だちばかりで同性の友だちが少ない人は、「お前の性であるな」の影響を受けている可能性があります。
13.離れるな
あなたは
「私が離れると親が困ってしまう」
「親から離れると攻撃されそうで恐い」
「独り暮らしができない」
と感じたり思ってしまうことはありませんか。
子どもだけが生きがいで、子どもを手放したくない親から「お前がいなくなるとお母(父)さんは~」というように言われたり、心配性で過保護、過干渉な親の言動を「親から離れるのは危険だよ」というメッセージとして受け取ると
「離れるな」
という禁止令をつくってしまいます。
この禁止令を持つ人は「親から離れるのは悪いこと」「親から離れると自分(または親)は生きていけない」と思い込んでしまい、親離れができなくなってしまいます。
それは親の「自分から離れて欲しくない」という欲求を優先するという決断になり、結果として自分の欲求と親(他者)の欲求のどちらを優先するかについての葛藤につながる場合もあります。
用が済んだらすぐに家に帰らなければと思ってしまう人や、親が一緒にいないと不安になる人、もしくは親がいない時だけ自由を感じることができる人は、この「離れるな」に縛られている可能性があります。
14.見えるな
あなたは
「目立ってしまうのが苦手、恐い」
「自己主張ができない」
「みんなと同じでないといけない」
と感じたり思ってしまうことはありませんか。
「見えるな」は、幼少期に、いつも大声で怒鳴る、すぐに暴力を振るう親の元で、親に見つかって怒られないようにしていたり、親から「目立ってはいけない」「出る杭は打たれる」などと言われて育った人が課してしまう禁止令です。
他にも、目立たない親や、逆にものすごく目立つ親を見て、「自分も(自分は)目立たない方がいい」と思い込むこともあります。
この禁止令の影響を受けている人は、つねに人並みであろう、みなのなかで平均であろうとし、目立つことを避ける傾向にあります。それは、幼少期の「目立つ存在になることは、自分の身に危険を及ぼす」という思い込みに囚われているからなのです。
「素敵な服だけど目立つから」と買えなかったり、グループで食事に行った時に他に食べたいものがあるのに「私もそれで」と合わせてしまうような人は、「見えるな」に縛られて自分の欲求を抑えてしまっている可能性があります。
15.するな
あなたは
「やらない言い訳、できない言い訳が多い」
「やる前から「自分にはできない」と思ってしまう」
「やりたいことをやると罪悪感を感じる」
「やりたいことが見つからない(わからない)」
と感じたり思ってしまうことはありませんか。
「するな」は、幼少期に、しつけが厳しかったり、心配性で過保護、過干渉な親のもとで、些細なことまで注意されたりして育った人が
「自分は何もしないほうがいいんだ」
と課してしまう禁止令です。
「そんな危ないことはやめなさい」「あの子と遊んではいけません」などと、親からつねに「ああしろ」「こうしろ」と行動を指示・規制されたり、「さわってはダメ。お前は必ず壊すのだから」などと言われて育てられたために、自主性を失い、
「自分は考えてはいけない」
「自分が考えると間違う」
と思い込んでしまうのです。
他にも、親が子どもに対して「本当は遊びに行きたいけれど、用事があって遊ぶことができない」「話を聞きたいけれど、忙しいから今はできない」というように、実際にはやればできることを親が「しない」の代わりに「~できない」を使って子どもに言い聞かせていると、この「するな」という禁止令となることがあります。
この禁止令を課した人は、「自分がすること、正しいこと、安全なことは、一つも無い」と信じ込み、つねに従順な子どもであろうとし続けた結果、大人になっても積極性に欠け、人の意見に従ってばかりになり、指示してくれる人を見つけようとする傾向にあります。
幼い頃から親の指示どおり行動してきたことで、自分でどう行動すればいいのかを考える習慣が身につかず、自ら決断・実行することができなくなってしまうのです。
言われたことはそつなくこなすのに、自分で物事を選択・決断できない人や、上司や先輩の指示がないとなにもできない「指示待ち社員」は、「するな」の影響を受けているのかもしれません。
能力に関する禁止令
16.成功を感じるな
あなたは
「何かをどれだけやっても達成感を感じない」
「つねに、まだまだと感じてしまう」
「やりすぎて失敗してしまう」
ということはありませんか。
「成功を感じるな」は、子どもの頃、親からつねに「まだまだ」「もっと」「そんなんじゃダメだ」などと言われ、成功体験や達成感を感じたことがない人や、親から褒められたり期待されることなく育った人が課してしまう禁止令です。
この禁止令を持つ人は、成功を遂げても満たされなかったり、自分が成し遂げていることに気づかなかったりします。そのため、つねに「まだまだ」「もっともっと」と過剰に頑張り過ぎてしまったり、やりすぎて失敗したり、身体を壊してしまったりする傾向にあります。
何かを達成しても次々にやりべきことが出てきてしまい、つねにやるべきことをたくさん抱え、心の休まることがありません。
いわゆるワーカーホリックといわれるような人も、「成功を感じるな」に縛られている可能性があります。
17.成しとげるな
あなたは
「何かを成し遂げる直前で、投げ出してしまう」
「自分の成功を他の人に譲ってしまう」
「成功すると嫌われる、妬まれる」
と感じたり思ってしまうことはありませんか。
幼少期に、親から何かを成し遂げたり上手くいったには褒められずに、逆に失敗した時に励まされたり慰められたりしたり、親とゲームなどをしていて子どもが勝った途端に遊んでもらえなくなったというような経験をすることで、
「成功しなければかまってもらえる」
「成功してはいけない」
と思い込み課してしまうのが、この「成しとげるな」という禁止令です。
また、完璧主義の親に絶えず批判されて育ったり、「お前は肝心なところでダメだね」と言われたりすることで、
「自分は成功なんてできない人間なんだ」
と、この禁止令を課してしまうこともあります。
この禁止令を持つ人は、自己破壊的な人生を送ってしまう可能性があります。なぜなら、心の奥で成功することは良くないこと、成功してはいけない、と思い込んでいるため、つねに自らの成功を破壊してしまうのです。
入試の時に体調を崩したり名前を書き忘れてしまったりする人や、思わぬスキャンダルで地位を失ったり人生を棒に振ってしまう人、何度も起業・倒産を繰り返してしまう人などは、「成しとげるな」の影響を受けているのかもしれません。
18.成長するな
あなたは
「失敗やうっかりミス、遅刻を繰り返すなど”できない人”の立場をとってしまう」
「できないことや失敗をうれしそうに話したり笑ってごまかす」
「責任ある立場を任されるのは苦手」
ということはありませんか。
「成長するな」は、「お前はまだ小さいからまだ、そんなことは出来ないよ」「全部お母(父)さんがやってあげるわよ」と親がなんでもやってしまったり、甘やかされて過保護・過干渉に育てられたりした人が持ちやすい禁止令です。
笑顔でなんでもやってくれる親の姿を見て、子どもは
「自分は成長しないほうが喜ばれる」
と判断し、大人になることを拒否するのです。
この禁止令を持つ人は、「子どものままでいるために、何もできないほうがいい」と考えるようになります。その結果、無意識にできない人の立場をとったり、自主性がなく依頼心が強い人になる傾向があります。いわゆる「マザコン」も、これに当てはまります。
最近では、子どもの会社にクレームを入れてしまう超過保護な親や、子どもの代わりに婚活して結婚相手まで決めてしまうような親が話題になることもあり、「成長するな」の禁止令に縛られている人も増えているかもしれません。
19.セクシーであるな
あなたは
「セックスに対して嫌悪感や罪悪感を感じる」
「セクシーな女性に嫌悪感を感じる」または「過剰にセクシーな格好をする」
「性的なことに関して無防備、自分は関係ない」
ということはありませんか。
「セクシーであるな」は、父親が娘に与える場合が多い禁止令です。父親が、セクシーになっていく娘を嫌悪し、セクシーな振る舞いや身なりを禁止したり、娘と距離をとったりすることで、娘が
「セクシーであると、父親から愛してもらえない」
と判断し、セクシーであること・性的なことを拒否するのです。
他にも、親の性的ないやらしい言葉や態度に嫌悪感を感じたり、逆に性的な話題がタブーだった家庭内で育った人、性的虐待などを受けて「自分がセクシーだったせいで・・・」と、課してしまうこともあります。
この禁止令を持つ人は、性的なことに対して極端な嫌悪感や罪悪感を感じたり、逆に「性的なことは自分には関係ないもの」と思い込んで、極端に無関心、無頓着、無防備になってしまうことがあります。
自分が女性として性的に見られているという意識がなく、誘われたらすぐについてしまったり、性的なことについて全く理解しようとせず、セックスにも無頓着で避妊しないような人は、「セクシーであるな」の影響を受けているのかもしれません。
20.考えるな
あなたは
「自分で考えられない、考えようとすると頭の中が真っ白になってしまう」
「考えるのは苦手」「私は頭が悪いから」
「特定のこと(お金、遊び、仕事、セックス等)について考えられない」
と感じたり思ってしまうことはありませんか。
「考えるな」は、子どもの頃に「ああしろ、こうしろ」と指示的で支配的な親や、「親に口答えするな!」「黙って言うことを聞いていればいいんだ!」と一喝するような威圧的な親のもとで育った人が持ちやすい禁止令です。
親がなんでも考えて支持してしまうため、子どもは
「周りがすべて考えてくれるから、自分は考えなくていい」
と考えることをやめてしまうのです。
他にも、自分の考えではなく「他人が考えるように考える」と決断したり、「○○(お金、遊び、セックスなど)のことは考えてはいけない」といわれたことで、特定の物事について「考えるな」と決断する場合もあります。
この禁止令を持つ人は、論理的に物事を考えたり、冷静に判断することができなくなる傾向があります。自分で考えようとしても考えがまとまらなかったり、自分が考えることに自信が持てなくなってしまうのです。
占いや迷信を盲目的に信じ込む人、科学的根拠のないものを信じやすい人、人の話を鵜呑みにしてしまうような人は、「考えるな」に縛られている可能性があります。
安全に関する禁止令
21.楽しむな
あなたは
「何をしても楽しくない、面白くない」
「楽しんだ後に罪悪感を感じる」
「楽をしてはいけない、人生は苦しいものだ」
と感じたり思ってしまうことはありませんか。
「楽しむな」は、幼少期に、自由に楽しむことを許されなかったり、楽しんでいるときに「調子にのって喜んではいけない」と言われた、自ら楽しもうとしない親のもとで育った人が課してしまいがちな禁止令です。
この禁止令を持つ人は、楽しむことに罪悪感を感じたり、楽しむことをずっと後回しにし続ける傾向があります。
目的もなく、わざわざ苦労をして、やりがいを感じるような人は、「楽しむな」に縛られているのかもしれません。
22.感謝するな
あなたは
「人に対する感謝の気持ちを感じられない」
「人から”やってもらっていること”に気がつかない」
「”足りないこと””満たされないこと”ばかりを訴える」
ということはありませんか。
「感謝するな」は、幼少期に、親から「ありがとう」と言われて感謝されたことがなかったり、人に対して「ありがとう」と言ったり感謝をしない親のもとで育った人が持ちやすい禁止令です。
この禁止令を持つ人は、「ありがとう」と言うことや、感謝の気持ちを持つことを”いけないこと”のように感じてしまいます。
また、自分が”してもらっていること”には気づかずに、自分が”やってもらっていないこと”には敏感なため、不平不満を抱きやすい傾向にあります。
心から感謝の気持ちを感じているわけではないのに、「ありがとう」を連発してしまう人は、もしかしたら「感謝するな」の影響を受けているのかもしれません。
23.感じるな
あなたは
「自分の感情がわからない」
「怒り・悲しみ・恐れ・喜び・幸せを感じない」
「周囲の出来事に対して、いつも第三者の立場で客観視している」
と感じたり思ってしまうことはありませんか。
「感じるな」は、幼少期に、親から「我慢しなさい!」と素直に欲求や感情を出すのを抑え込まれたり、「泣いてはいけません。」「怒ってはいけません。」と特定の感情を禁止されたりした人が持ちやすい禁止令です。
他にも「私が泣くと、病気のお母さんが辛くなるから」と親のために自らの感情を抑えたり、いじめや虐待などのつらい体験から、すべての感情・感覚を「感じないように」決断して課してしまうこともあります。
この禁止令を持つ人は、自分の感情を抑えこみ、物事に無関心・無感動になってしまう傾向があります。
また特定の感情を抑圧するために、例えば「怒り」を抑制して「笑う」などの代替勘定を使ったり、痛みや満腹感・空腹感、味覚といった「感覚」を感じられずに摂食障害になったり、感情を抑え込むために過食と嘔吐を繰り返したりすることもあります。
表情に乏しく声に抑揚がない人、泣いたり怒ったりといった感情が乏しい人は、「感じるな」に縛られている可能性があります。
24.くつろぐな
あなたは
「のんびりすることに罪悪感を感じる」
「どんな時も心からくつろぐことができない」
と感じたり思ってしまうことはありませんか。
「くつろぐな」は、子どもの頃、「ダラダラしていないで、ちゃんと勉強しなさい」などと、くつろいだりのんびりしていると怒られたり、つねに忙しそうにしている親を見て
「くつろいではいけない」
「自分だけくつろぐのは悪い」
と決心しやすい禁止令です。
この禁止令を持つ人は、いつも頑張りすぎてしまい、のんびりゆったり過ごすことができない傾向になります。
つねに緊張して、心休まることなく、つらい首・肩こりに悩まされる人は、「くつろぐな」の影響を受けているのかもしれません。
まとめ
わたしたちが自分自身に課してしまっている禁止令にはじつにさまざまなものがあります。今回は24の禁止令についてご紹介しました。
もし、読んでいて何か引っかかったり、抵抗を感じる、または否定したくなるようなものがあれは、それはあなたが課してしまっている禁止令かもしれません。
自分が課している禁止令の呪縛を解くには、自分がどんな禁止令に縛られているのかに気づくのが第一歩です。
さて、あなたは自分にどんな禁止令を課していましたか?
気づかないうちにあなたを縛っている「禁止令」についての考察は以上です。
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