こんにちは。
この週末は「羽生結弦選手2連覇」「藤井聡太五段が史上最年少で公式戦初制覇 六段昇格」など華やかなニュースでもちきりですね。
そんな中、年初来暗いニュースが続いている仮想通貨市場で新たなトラブルの発生がうわさになっています。
【速報】
20億BTC(時価約2154兆円)の売り板がZAIFに出現!!!!!!*BTCは最大発行枚数でも2100万BTCです。 pic.twitter.com/TCGWfnHeNp
— 灯篭 Blockchain かもしれない (@touroukawaii) 2018年2月16日
なんと仮想通貨取引所ザイフの取引所に20億BTCもの巨額のビットコインの売り注文が入ったとのこと。20億BTCといわれてもいまいちピンとこない人もいると思いますが、日本円にすると時価約2154兆円にもなるそうです。
もはや、国家予算を軽く超える金額ですね。
今回は、仮想通貨取引所ザイフのシステムエラーについて考えてみようと思います。
誰が20億BTCものビットコインを売ったのか?
ビットコインは最大発行枚数に上限が定められており2100万BTCまでしか発行することができません。ところが今回ザイフの取引所で売り注文に出されたビットコインは20億BTCと最大発行枚数の約95倍もの量でした。
いったい、どうしてこんなことが起こってしまったのでしょう?その謎を解くカギとなる動画がYouTubeにアップされていました。
この動画によると、ザイフの簡単売買で「BTC価格が0円になっていたので試しに購入してみたら購入できてしまった」そうで、動画は証拠保全のために投稿したとのこと。
どうやら、ザイフのシステムエラーが原因で事件性はなさそうです。しかし、今回の件で、仮想通貨取引所ザイフにある疑惑が浮上しました。それはザイフが存在しないビットコインを販売していた可能性=ノミ行為をしていたのではという疑惑です。
仮想通貨取引所ザイフの問題点
仮想通貨取引所のノミ行為の可能性については、以前こちらの記事でも書きましたが、今回のザイフでのトラブルと合わせて、その可能性について考えてみます。
仮想通貨取引所の取引方法とノミ行為について考える – 思考は現実化する
仮想通貨取引所ザイフには「簡単取引」「取引」の2つの取引方法があります。
「簡単取引」はザイフが指定する価格で「ビットコイン」と「モナコイン」の2種の仮想通貨をザイフから購入することができます。他の取引所における「販売所」のようなところです。
「取引」はザイフの取引プラットフォームを通じて、ザイフを利用するユーザー同士が「指値」で仮想通貨を売買することができます。
このうち今回システムエラーが発生してしまったのは「簡単取引」です。発生したトラブルにより浮き彫りになったザイフの問題点は2つあります。
- ビットコインを0円で販売してしまったシステムエラー
- 最大発行数以上のビットコインの販売(=実際に所持していないビットコインの販売)
このうちシステムエラーについてはチェック体制の不備や人為的な不備ということもできるかもしてません。しかし、最大発行数以上の「実際には所持しえないビットコイン」を販売してしまったことについては、ただのシステムの欠陥ではなく、常々、そのような取引(ノミ行為)が行われていた可能性を暗示しているような気もするのです。
市場に出回っているビットコイン数以上のビットコインを販売してしまったという事実は仮想通貨取引所ザイフの信用を大きく棄損してしまう可能性のある重大な問題だと思います。
ジェイコム株大量誤発注事件との共通性
最大発行数以上のビットコインを販売してしまったという今回のトラブルで思い出されるのは、2005年に発生した「ジェイコム株大量誤発注事件」です。
この事件は、新規上場したジェイコムの株式において、みずほ証券の男性担当者が「61万円1株売り」とすべき注文を「1円61万株売り」と誤ってコンピュータに入力(誤注文)したことで株式市場が混乱に陥りました。
この事件ではみずほ証券担当者の入力ミス(ヒューマンエラー)やその後のみずほ証券の経緯報告などが大きな批判を集めましたが、取引所システムについても「発行株式数以上の空売りが出来るシステム」だったことが判明しました。株式は本来、存在する以上の売り注文は出せません。それが出来てしまえば無限に売りを浴びせるようなこともできてしまいます。そんなことになれば株式市場は大混乱に陥ってしまいます。
結局、この事件以降、システムに制限が加えられるようになりましたが、この事件は株式市場や証券会社の信用を大きく棄損したのです。
まとめ 今回のトラブルの処理はどうなる?
ジェイコム株大量ご発注事件では、みずほ証券担当者の誤発注が東証マザーズ市場という開かれた市場に反映されてしまったため取引をなかったことにすることができず、みずほ証券は404億円もの損害を被ることになりました。
一方、今回のザイフのシステムエラーはあくまで仮想通貨取引所ザイフが運営する「簡単取引」「取引」という閉じた市場の中でのできごと。そのためエラーによる取引を全てロールバックして無かったことにするのではないかと思います。
気になるのは、もし今回0円で購入した仮想通貨を他の仮想通貨などと取引出来ていた人がいた場合がどうなるかですが、それらの仮想通貨がザイフから外部のウオレットに送金されていなければ巻き戻されるような気がします。(最も、最大発行数以上に販売されたビットコインは本来存在しえないものなので、そのままでは送金できるはずもありませんが。)
いずれにしてもザイフの中で行われている取引は、ザイフの中で単にユーザーからユーザーへ数字の付け替えが行われているだけという可能性もあるような気もするのです。
そして、仮想通貨取引のリスクには、仮想通貨以上に運用する仮想通貨取引所のリスクが大きいと改めて思いました。
では、今日はこのあたりで。
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