2018年2月9日。コインチェックより「日本円出金再開のお知らせ」のメールがありました。1月26日のNEM不正流出事件後、停止していた取引のうち、まず日本円の出金について再開するようです。
あなたはコインチェックから日本円を出金しますか?
今日は、コインチェックの日本円出金再開について考えてみます。
出金される日本円はどれくらいの金額になるのか?
2月13日の出金再開後、コインチェックから出金される金額はいったいどれくらいに上るのでしょう。
時事通信の記事「コインチェック、業務改善報告を13日提出=日本円出金も開始へ」によると「300億円を超える出金の要請がある(関係筋)」そうです。これはもちろん先日のNEM不正流出の補償の480億円とは別の金額。そのためコインチェックから大きな資金が出金されることで事業継続が危うくならないか心配する声もあります。
ただ、コインチェックは「お客様の日本円の資産は金融機関の顧客専用口座にて安全に管理されております。」といっています。またコインチェックが顧客の資金を管理する口座として公表している「りそな」「住信SBIネット」「あおぞら」「オリックス」の4銀行には数百億円の残高があるとされているようです。
ただ、日本円出金についてコインチェックは
- 申請をいただいている順にて対応
- 着金まで時間が掛かる場合がある
- 現時点で判明していない問題等が確認された場合、予告なく再開を見合わせることがある
と述べており出金までにかなり時間を要するような気がします。
「日本円出金再開」が心配要因になる!?
日本円出金が開始されることで安堵する利用者がいる一方、日本円をすべて仮想通貨に替えて預けている方にとっては「日本円出金再開」はむしろ心配要因になるのかもしれません。
大きな資金が出金されることでコインチェックの経営が立ち行かなくなってしまえば、預けている仮想通貨が引き出せなくなってしまう可能性もゼロではないかもしれません。
特に昨年末の高騰のさなかに仮想通貨を購入した方には、利益確定することなく持ち越してそのまま今回の事件を受けて取引できなくなってしまった方も多いと思います。中には「購入した仮想通貨の資産価値が目減りするのを眺めるしかなかった」という方もいるかもしれません。
もしかしたら購入した時よりプラスになっている方もいるかもしれませんが、現時点では「仮想通貨の出金および出金以外の機能」は再開されていないため、日本円への換金も他のウォレットへの送金もできない状況のままです。
そういう方は、今回の「日本円出金再開」は新たな心配の種なのかもしれません。
顧客の仮想通貨資産の保全は大丈夫?
コインチェックは今回の「日本円出金再開のお知らせ」で「お客様の日本円の資産は金融機関の顧客専用口座にて安全に管理されております。」と述べています。
それでは、日本円以外の資産・仮想通貨の資産はどうでしょう?
コインチェックについては、不正流出を受けての金融庁の立ち入りを受けて「資金決済法上の口座の分別管理を行っていなかった(顧客からの預かり口座と、自社で運用する自己勘定用の口座が同じだった)のではないか」ということもいわれています。
顧客の資産のうち日本円については「りそな」「住信SBIネット」「あおぞら」「オリックス」の4つの金融機関で管理されていたようです。しかし、日本円に換金されていない大量の仮想通貨の資産については、どのように管理しているのかは不明です。
もしコインチェックが顧客から預かる資産の口座と取引所本体の口座を区別して管理していなかったとしたら・・・。
コインチェックにとって仮想通貨の出金再開は日本円出金再開以上のリスク要因なのかもしれません。
まとめ
2月13日からの日本円出金再開は、不正流出事件に見舞われたコインチェックの利用者にとって明るいニュースのような気がしますが、これを契機にいろんなことが解決するということでもなさそうです。
むしろ、これを機にコインチェック離れるユーザーがたくさん出れば、それはコインチェックの事業継続を苦しくする可能性もあると思います。未だ多くの仮想通貨資産を引き出せないままの利用者は気が気ではないかもしれません。
2月13日。あなたはコインチェックから出金しますか?
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