こんにちは。
みなさんには、こだわっているコトやモノ、ありますか?
人は誰でも、何かしらのこだわりを持って毎日を過ごしていると思います。
例えばそれは、
朝食はパンがいいというような好みから、
靴を履くときは右足からといったジンクスのようなもの、
食べるものはオーガニックといったものまで、
人によってこだわりはさまざま。
意識的にこだわっていることだけでなく、人に言われるまで気づかないような”無意識”にこだわっているものもあったりします。
では、みなさんは、どうしてそれにこだわっているのか、自分がこだわっている理由を知っていますか?
今日は、こだわりの理由を知ることで、お互いの理解が深まったある夫婦の素敵なエピソードをご紹介します。
彼女の不思議なこだわり
何かにつけて内向的で、自制心が強く、慎重な夫。
社交的で、自分を飾らず、自然体で人と接する妻。
二人は、結婚してから、お互いの性格のことで、幾度となくぶつかっていました。
夫には、もう一つ、ずっと気になっている「妻のこだわり」がありました。
妻はフリジデア社の電化製品に強いこだわりがあり、他社の製品を買うことなど考えようともしなかったのです。
結婚したばかりでまだ家計も苦しかった頃のこと、近所にフリジデア社の製品を扱う店がなかった時も、妻は70kmも離れた大都市まで車で買いに行くと言い張ったこともありました。
夫にはその執着ぶりがどうしても理解できませんでした。
夫はなにも、妻がフリジデア社の製品を好きだということにイライラしていたわけではありませんでした。
彼女が、フリジデア社の電化製品の良さを強調しようとして、何の根拠もなく、夫からすればまるで理屈に合わないことをまくしたて、無理にでも正当化しようとするから、腹が立っていたのでした。
ある日、夫婦はフリジデア社の製品について落ち着いて話をする機会を得ました。
その話し合いの中で、妻はあることを思い出しました。
それは、まだ彼女が幼い頃の出来事。
彼女の父は高校の教師をしていましたが、その給料だけでは家計を支えられなかったため、電化製品の販売店を開いていました。
ところが時代は不景気に入り、その販売店が経営危機に陥ってしまいました。
そんなときにも何とか事業を続けることができました。
それは、フリジデア社の融資のおかげでした。
父親思いの娘だった彼女は、毎日くたくたに疲れて帰宅し、長椅子に横になっている父親の足をさすりながら、歌を唄ってあげていました。
父と娘の心温まるひととき。
父親は娘に、仕事の悩みや心配事、経営難に陥ったときにフリジデア社のおかげで倒産せずにすみ、どれほど感謝しているか、包み隠さず話したそうです。
妻が思い出したのは、その時の会話でした。
ごく自然なかたちで行われた父娘のコミュニケーションで、幼かった彼女の心に無意識のうちに刻まれていた、さまざまなイメージや考え。
妻は、このことをずっと忘れてしまっていました。
妻は、この時はじめて気がつきました。
彼女のフリジデア社に対するこだわりの源泉がどこにあるのかを。
夫婦は、どちらも目に涙をためていました。
妻が遠い昔のことを思い出し、自分の感情の根源を見出したことはもちろん、それ以上にお互いに対する敬虔な気持ちに満たされたのです。
これは『7つの習慣』の中で紹介されている、著者コヴィー博士と妻のエピソードです。
ちなみにコヴィー博士の奥さんがこだわったというフリッジデール社とは次のような会社です。
フリッジデール (Frigidaire)
アメリカ合衆国の主要な家電メーカーの一つ(英語では正確にはアプライアンス(appliance)製造会社)。現在、スウェーデンに本社を置くエレクトロラックスの子会社。 1919年から1979年までは米国の自動車メーカーであるゼネラルモーターズ傘下であった。(Wikipediaより)
このエピソードでコヴィー博士は、これまでの妻へのイライラが愛情深い妻への尊敬の念へと変化するというパラダイムシフトを体験したのです。
パラダイムシフト(英: paradigm shift)
パラダイムシフトとは、その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが革命的にもしくは劇的に変化することをいう。 … 科学史家トーマス・クーンが科学革命で提唱したパラダイム概念の説明で用いられたものが拡大解釈されて一般化したものである。(Wikipediaより)
こだわりの理由
他人から見れば理解できない「意味不明」とも思えるようなこだわりにも、実は裏にその人も気づいていない深い理由が潜んでいるかもしれない。
そう思うと、他社のこだわりを簡単に「それはおかしい」と片付けてしまうことはとても乱暴なことなのかもしれません。
人の内面の奥底に潜んでいるもっとも傷つきやすい部分を見ずに、表面に現れる他愛のない行為だけに反応するのは、人の心という聖域を踏みにじることになるのである。(スティーブン・R・コヴィー『7つの習慣』より)
思えば、私と”息子の母”の間にも、お互いのこだわりによるさまざまな問題がありました。
私たちは「話し合い」「理解する」ということを互いに拒絶しましたが、おたがいの”こだわりの理由”について考えれば、もしかしたら今とは異なる道が開けていたかもしれません。(そのことについて、後悔があるわけではありませんが)
育ってきた環境が違うから
育ってきた環境がまったく違う二人が一つ屋根の下で暮らすのだから、お互いに理解できない部分が出てくるのは当然だと思います。それを
「わけわかんない!」
「意味不明!」
のまま
「でも、今は幸せだから」
と見過ごしていくと、そのズレがどんどん大きくなって、いずれは超えることのできない「深い溝」になってしまったりするのだと思います。
好き嫌いは否めない。
でも夏がダメだったり、セロリが好きだったりするのにも、もしかしたら、そのようなこだわりを持つに至った、素敵な、かけがえのないエピソードがあるのかもしれません。
もし、こだわりの理由をコヴィー博士たちのように”お互いに発見”することができれば、相手の欠点はチャームポイントに変わるかもしれません。それってとても素敵なことですよね。
ここで、改めて、冒頭の質問です。
みなさんには、こだわっているコトやモノ、ありますか?
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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